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学校ICT 専門家・研究者のコラム

2016.04.22

情報モラル教育は保健指導・健康教育とセットで(2)

取り組みを通した子供たちの変化
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昨年度、本校では全校を挙げて「子供たちのメディア利用と生活習慣の改善」
に取り組みました。データに基づき、さまざまな機会や方法を通して、
地域や家庭も巻き込みながら情報モラル教育を行ってきました。

まず、毎年健康教育の一環として養護教諭を中心に
全校で取り組んでいる「すこやかカード」を見直しました。
生活リズムチェックのチェック項目に、テレビやゲームの利用時間や
夜9時以降の利用について項目を追加しました。

そして、子供たち自身で年3回「すこやかカード」による
1週間の生活リズムチェックを行う機会を作り、
子供たち自身が生活の仕方を振り返られるようにしました。

次に、年3回分のデータをレーダーチャートで比較しました。
その考察を基に、各自が具体的な目標を立てて、意識した取り組みを
行う中で、多くの子供たちに生活の改善が見られました。

特に夜遅くにゲームやメディア利用をしていた子供の生活が改善され、
睡眠時間も増えました。夜更かし気味だった子供が翌朝すっきり目覚めたり、
家庭学習をしっかり行うことができたりするなど、
よい循環に入る子供が増えてきました。

次に、中学校で行っている三校学校保健委員会で、
ゲームを含めたメディア利用と睡眠時間、翌朝の目覚めなどについて、
5、6年生と中学生、保護者、学校医を交えて話し合い、
ルール作りを行いました。
これらの取り組みを保健だよりや学校だより、
学校ホームページなどで積極的に発信し、啓発をしました。

そして、高学年児童を対象に、外部から講師を招き、
SNSやゲームなどのリスクや身体や生活に与える影響などについて
学ぶ機会を設けました。保護者が対象の講演会も開き、
多くの保護者の参加を得ることもできました。

また、専門家から話を聞くことで、
より実感を伴った理解に繋げることができました。
高学年では、保護者会や学級懇談会でもクラスの子供たちの
メディア利用の実態や、学力との関係などについて積極的に話もしました。

短期間に集中して情報モラルについて考え、家庭も巻き込んで
議論することで、子供たちのゲームやメディアの利用が
学習や生活に与える影響について意識を高めることができました。
保護者アンケートの回答にも、その意識の高まりが感じられる
記述もありました。

1月の「すこやかカード」の集計によると、
夜9時以降のゲームやメディア利用の割合が5月と比較すると
高学年を中心に10ポイント以上減少し、
1日のメディア利用が1時間以内という子供も
全校で15ポイント以上少なくなりました。
就寝時刻も全般的に早くなりました。
朝ごはんを食べる割合や1時間以上運動をする割合も増えました。

情報モラル教育を保健指導・健康教育とセットで行うことが、
生活習慣の改善につながった事例だと思います。

加納先生

静岡県沼津市立内浦小学校

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