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研究を重ねた専門家が指南 学校ICT・セキュリティコラム

学校ICT 専門家・研究者のコラム

2018.09.28

平成29年度「学校・教育機関における個人情報漏えい事故の発生状況」 調査報告書より(1)減らない事故

ISENで毎年実施している「個人情報漏えい事故の発生状況調査」の
平成29年度版報告書の内容をご紹介します。

 この調査は、学校や公的教育機関で発生した児童・生徒・保護者などの
個人情報を含む情報の紛失・漏えい事故についての公開情報を調査し
集計したものです。したがって、発生したすべての個人情報漏えい事故を
網羅したものではありませんのでご承知おきください。

 平成29年度の事故発生件数は177件、個人情報漏えい人数は125,849人と
なっています。過去13年の推移を見ても発生件数が減る傾向はありません。
こんな表現は不適切かもしれませんが、毎年コンスタントに発生しています。

 漏えい人数別・学校種別の発生件数を見ると、
小学校はクラス単位の事故が多く、高校では学年単位の事故が多くなっており、
学校種により教員が取り扱う個人情報の量の違いが明確になっています。

 また、月別の事故発生件数を見ると、4月、2月、3月、9月、7月の順で
多く発生しています。これは、学校のスケジュールを考えるとよくわかります。
年度始めと年度終わり、初めての学期末(2学期制、3学期制とも)に
多くなっており、先生方が忙しい時期とちょうど重なります。
この傾向は、過去8年の平均値を見てもほぼ同様の傾向です。
事故の発生件数、月別発生件数を見ると、
毎年同じ過ちを犯しているように思われます。

 先生方が多忙な時期に、教育委員会が通知を出すなり、
管理職が声掛けをするなり、教職員同士で声掛けをすることで、
少しでも個人情報の紛失や漏えいの事故は防げるものと思われます。
多忙な時ほど個人情報の取り扱いには気を付けましょう。

ISEN副委員長 井上

株式会社JMC
APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会) テクニカルアドバイザー。
校務情報化や情報モラルに精通し、文部科学省や総務省の委員会や委託事業にも参画している。

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