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学校ICT 専門家・研究者のコラム

2019.12.26

平成30年度 学校・教育機関における個人情報漏えい事故の発生状況

ISENでは、毎年度、報道やWeb上で公開された
個人情報漏えい事故の情報を調査し、集計しております。
平成30年度の学校・教育機関における個人情報漏えい事故の発生状況は、
現在ISENのWebサイトで公開中です。
その内容についてご紹介します。

平30年度の事故発生件数は、198件でした。
これは公開された情報を基にしていますので、
実際はもっと多く発生しているものと考えられます。
個人情報の流出事故がこれほどニュースになり、
個人情報保護の大切さが叫ばれていても、
過去14年の推移を見ると減る気配は見えません。

月別の発生件数は、学校現場が忙しい年度始めと
1学期の成績処理の時期に事故が多く発生しています。
ちょっとした心掛けや管理職の声掛け等で、
事故を減らせるものと思います。皆さん注意しましょう。
 
事故の種類別では「紛失・置き忘れ」が最も多く61.6%となっています。
「紛失・置き忘れ」は、学校内でも学校外でも
多く発生していますので、ご注意ください。
机上の整理や、個人情報の持ち出しルールをもう一度確認しましょう。

漏えい経路では、紙媒体が最も多く51.0%と半数を超えています。
学校現場はまだ圧倒的に紙文化なのです。
よくUSBメモリの管理徹底が言われますが、
事故としては書類の方が多いのが現実です。
確かに、個人情報漏えい人数で見れば、
書類よりもUSBメモリの方が多いですが、
書類でも8,000人を超えていますので、
書類の管理には十分気を付けてください。

個人情報の取り扱いの規定やルールに違反していた事故は21.7%でした。
しかしながら、盗難事故を見るとその内、
規律違反ありは42.9%とほぼ倍になります。
悪いことをすると悪いことが重なるようです。
決められた個人情報の取り扱いの規定やルールは守りましょう。

参考資料の「個人情報の不適切な取り扱いに係る処分について」を見ると、
平成29年度は、全国で559人が処分を受けています。
事故の当事者は当然ですが、その内、
233人が監督責任による訓告・戒告等を受けています。
管理職の方はルールの徹底や、繁忙期の見回り声掛け等を実施し、
個人情報と共に、職員、自らをお守りください。

ISEN副委員長 井上

株式会社JMC
APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会) テクニカルアドバイザー。
校務情報化や情報モラルに精通し、文部科学省や総務省の委員会や委託事業にも参画している。

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