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研究を重ねた専門家が指南 学校ICT・セキュリティコラム

学校ICT 専門家・研究者のコラム

2021.11.12

地域の力を活用しよう-GIGA推進のために-

教育行政から離れ、地域で情報化に関わるようになった今、
改めて感じたのは「地域と連携することでGIGAスクールが
更に推進される」ということです。
連携の効果や可能性を実際に感じた事例を4つご紹介します。

その1 テレワークの方のスキルを生かす
ある小学校で、子どもたちが端末を持ち帰って接続の実験する日に
知人から連絡がありました。
内容は「本日学童クラブで20人ほどの児童が接続する予定。
ネットワーク環境は整備したが、お手伝いしていただける方を
紹介してほしい。」とのこと。
こんな時は地域でテレワークしている方の絶好の出番です。
実現のためには、保護者や地域の方でデジタルスキルのある方を
把握することがポイントです。

その2 地域のWi-Fi環境を生かす
自宅にWi-Fi環境がない家庭の支援は、モバイルルーターを
貸し出すという方法だけでなく、「近隣のWi-Fiに繋がせてもらう」
「都市部では事業所の会議室等で繋がせてもらう」というのも
考えられます。昨年の臨時休校中には複数の事業所から
Wi-Fi環境提供の申し出がありました。実現のためには、
学校や教育委員会から地域に対し、セキュリティ対策を
踏まえた上で、Wi-Fi環境の提供依頼をすることがポイントです。

その3 家電量販店にも協力してもらう
自宅での端末使用時の充電器を家庭で購入する自治体の場合、
スマホ用やコンビニで販売しているものでは対応できません。
近くの家電量販店が保護者からの相談に対応できるように学校の
端末整備情報を伝えておくことが有効です。実現のためには、
地域の家電量販店等に、学校や教育委員会からGIGAスクールの
整備状況の情報を提供し、周辺機器を購入するニーズがあることを
伝えることがポイントです。

その4 市民からの寄付PCを家庭での子ども用端末(Chromebook)化する(進行中)
自宅にPCがあれば、学校の端末を持ち帰りしなくても
公的アカウントが使えます。Windows11発売で買い換えたPC等を
市民に寄付してもらい、Googleアカウント利用地域ならChromebook化して
希望する家庭に提供するのはどうでしょう。無料で可能です。
(昨年の臨時休校時はWindows7のPCの寄付を募り、
Windows10にして20台以上提供しました)
実現のためには、設定に協力してくれる保護者・市民の確保と、
寄付プロジェクトを広報することがポイントです。

私たちの地域では「逗子葉山デジタルサポーターズ」という
任意団体を作って、スキルのある市民に登録していただき、
対応している最中です。また神奈川県内に複数店舗を持つ家電量販店に
GIGAスクールの状況を伝え、充電器購入時の対応をお願いしました。

学校や市教委の情報提供は保護者が中心で、地域には意外と
学校の変化が伝わっていないと感じています。
ましてGIGAスクールのような急激な変化の情報はまだまだ
地域に伝わっていません。コロナ禍で大変な中ですが、
テレワーク等でデジタルスキルのある方が地域にいらっしゃることを
最大限活用するのはどうでしょうか。
各地域でのGIGAスクール推進のヒントになれば幸いです。

 

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村松先生

神奈川県逗子市・横須賀市・三浦市の小中学校・市教委で勤務。
横須賀市の初代情報教育担当指導主事。
2020年3月まで逗子市教育委員会教育長として勤務。
現在はフリーの教育情報化サポーターとして情報化を地域から側面支援中。

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