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2014.06.27
「OECD国際教員指導環境調査(TALIS)」結果公表
OECD国際教員指導環境調査の結果の要約が、
国立教育政策研究所のWebサイトで公開されています。
この調査は、学校の学習環境と教員の勤務環境に焦点を当てた国際調査として
実施され、日本を含む34か国・地域が参加。日本の教育環境については、
次のような結果が得られました。
●校内研修などを通じて、教員が日頃から共に学び合うことが、
教員の指導実践の改善や意欲の向上等につながっている
●職能開発(研修)の参加意欲は高いが、業務のスケジュールや費用、
参加への支援などに課題がある
●教員は、生徒の主体的な学びを重要と考えている一方、主体的な学びを引き出す
ことに対しての自信が低く、ICTの活用を含め多様な指導実践の実施割合は低い
●教員の勤務時間は他の参加国よりも特に長く、人材の不足感も大きい
教員の労働時間が社会問題となって久しいですが、今回の調査では1週間当たりの勤務時間は
日本が53.9時間と参加国中最長という結果が出ました(参加国平均38.3時間)。
その一方で、授業(指導)に使った時間は17.7時間で、
参加国平均の19.3時間を下回る結果となりました。
この結果を受けて、文部科学省は次のような取り組みを掲げています。
○学校現場の困難化に対する体制整備、勤務負担軽減の取り組み
・特別支援教育、いじめ、不登校などの教育課題に対応するための教職員配置の実施
・学校を教員だけでなく多様なプロから構成することにより、教員は授業に集中し、
多様な課題には専門性を持った人材が対応できるよう、多様な人材を学校現場に参画させることを推進
・校務の情報化や事務の共同実施など学校運営改善の好事例の普及、
学校を対象として行う調査の縮減など、教員の勤務負担軽減の取組を引き続き推進
世界から見た日本の学校現場の実情を、数値データで再認識できる資料です。
この結果をしっかりと受け止め、日本の教育の発展に生かしていきたいですね。
OECD国際教員指導環境調査(TALIS):国立教育政策研究所
http://www.nier.go.jp/kenkyukikaku/talis/index.html
OECD国際教員指導環境調査(TALIS)のポイント(PDF)
http://www.nier.go.jp/kenkyukikaku/talis/imgs/talis_points.pdf