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2022.12.06
文部科学省「生徒指導提要(改訂版)」を公表
文部科学省は12月6日、「生徒指導提要(改訂版)」を公表しました。
平成22年の提要作成以降、いじめの重大事態や子供たちの自殺者数の増加に加え、
関連法規や組織体制の在り方などの生徒指導をめぐる状況が
大きく変化していることから、今回12年ぶりに改訂されました。
今回の改訂では、デジタルテキストとして作成されており、
目次から各ページに飛べるなど、学校関係者にとって使いやすい仕様になっています。
デジタルテキストの利用ガイドも掲載されています。
生徒指導の進め方や個別の課題対応等について、
「児童・生徒が抱える課題の予防や早期発見」という側面だけではなく、
「児童・生徒の発達を支える」という側面に着目した説明が追加されています。
特に、令和の日本型学校教育の実現に向けては、GIGAスクール構想を踏まえて、
今後ICTを活用した生徒指導を推進することが大切としています。
ICTを活用することで、以下のような教育効果が期待されます。
(1)データを用いた生徒指導と学習指導との関連付け
生徒指導と学習指導の相互作用をデータから振り返ることができる。
生徒指導と学習指導が相関的な関係があることもあり得るため、
分かりやすい授業、誰にも出番のある全員参加の授業が、
児童・生徒の自己肯定感や自己有用感を高められる。
(2)悩みや不安を抱える児童・生徒の早期発見・対応
児童・生徒の心身の状態の変化に気付きやすくなったり、
児童・生徒の理解の幅につながったりすることによって、
悩みや不安を抱える児童・生徒の早期発見や早期対応の一助となる。
(3)不登校児童・生徒等への支援
学校に登校できない児童・生徒に対する学習保障や生徒指導という観点から、
ICTを活用し、個々の不登校児童・生徒に応じた必要な支援をすることができる。
病気療養中の児童・生徒に対しては、通信教育やオンライン教材などを活用して、
教育機会の確保をすることができる。
文部科学省は、一人一人が抱える個別の困難や課題に向き合い、
「個性の発見とよさや可能性の伸長、社会的資質・能力の発達」を支援することが
生徒指導の重要な役割としています。
▼生徒指導提要(改訂版)
https://www.mext.go.jp/content/20221206-mxt_jidou02-000024699-001.pdf