2012.03.26
上越教育大学でISEN委員が学校情報セキュリティの実態と対策」について講演
2月1日、上越教育大学の学生、教職員の方を対象に、ISEN委員が
「学校情報セキュリティの実態と対策」について講演を行いました。
上越教育大学は、教員を目指す学生が集まる大学で、卒業生の多くが
学校の先生になります。
教育・研究における一手段として日常的に活用させることを通して、
卒業・修了後、学校現場の教員として就職した際に、
ICTを活用した授業実践を行うこと、児童生徒にICTを活用させた
学習活動を行うこと、校務の効率化を図るためにICTを活用することなど、
教育の情報化のための即戦力として活躍することのできる人材を
育成することを目的として、ノートパソコンの所持を推奨(学部生は必携)
しているため、ICT機器について詳しい学生も多いようです。
講演は、あいにくの大雪の日でしたが、
約90名の学生、教職員の方にご参加いただきました。
最初は、「今日もワンステップ!」に掲載しているイラストを使って、
頭の体操。職員室のイラストを見て、セキュリティの危険を考えました。
このイラストは、実際に学校の職員室を訪問したISEN委員の
監修で作られています。学校での現状について、このイラストの中に
書かれているもの、下記3点についてお話しました。
1. USBメモリの取り扱いについて
2. 情報の持ち出しについて
3. 机上の整理整頓について
USBメモリは今回の参加者のうち8割から9割は
利用していることがわかりました。
そこで、「学校では教員のUSBメモリ紛失事故が多発していること」、
「使うデータをなんでも保存してしまいがちだが、USBメモリは
データの保存用の媒体ではなく、一時的な移動用の媒体として
使うべきである」ということを説明しました。
また、学生の皆さんが社会に出るにあたって知ってほしいこととして、
「USBメモリは気軽に使えるため、私用のものを仕事に使ってしまう人も多いが、
万が一の紛失したときのことを考え、使ってはいけないないこと」などを
説明しました。
机上の整理整頓の話では、学校の現状をリアルに知ってもらうために、
実際にISEN委員が訪問した学校のお話をすると共に、
実際の職員室の写真などもお見せしました。
学校では、取り扱う書類が多く、管理の方法に悩んでいる学校も
多数存在します。一方、管理職をはじめとする教員の積極的な取り組みで、
職員室の徹底した整理整頓を行っている学校もあります。
「何がどこにあるのかわからない」「何かを紛失しても気付かない
のではないか」というほど散らかっている職員室と、
離席時は、「机の上に何もない」状態になっている職員室、
両方の写真を例としてお見せしましたが、その実際の職員室の様子に、
会場からは驚きの声が上がっていました。
また、最近の問題として、Twitterで大学生が飲酒やカンニングについて
書き込んだり、学校の教員が生徒の答案を「面白い回答」として
写真を掲載したのがきっかけで、「炎上」してしまった事件についても
取り上げました。
問題がある発言をした場合、自分がこれまでにSNSに書き込んできた内容から、
自分の名前や勤務先、通学先などが特定されてしまうこと、
周囲に及ぼす影響についても説明しました。
実際、今回の講演参加者の中にも、mixiやFacebook、Twitterなどの
SNSサービスを使っている人が多くおり、今後も啓発を行っていく
必要があるテーマだと感じました。
情報通信機器やサービス、私たちを取り巻く状況は日々大きく変化しています。
今回の講演で取り上げた「Twitterの書き込みによる個人特定、炎上」なども、
数年前まではなかったことです。
単に、今ある問題の対策方法を知って覚えるだけでなく、新しい問題に
直面したときに対策方法を考えられるようにならなければなりません。
そこで、「どのような考え方をして、どのように対策方法を考えればよいか」
というお話を最後にしました。
これから学校で先生になる学生の皆さんは、教育の情報化の推進役
となることを期待されていることと思います。
利便性と同時に、セキュリティについても考えながら、
安全に、適切に情報を管理できる先生になっていただきたいと感じました。
専門家・研究者