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研究を重ねた専門家が指南 学校ICT・セキュリティコラム

学校ICT 専門家・研究者のコラム

2012.12.10

「意外」な落とし穴による情報漏えいの増加

近年、スマートフォンやタブレットPC、スレート端末(iPadなどキーボードがない
画面だけの端末)など、新しいタイプの端末が急速に普及してきました。

また、それに伴い、フェイスブックやmixi、Twitterなどの
ソーシャルネットワーキングサービス、
文書や写真など各種データをクラウド上に無料で保存できるサービスなど、
新しいサービスの利用も増えてきています。

ところが、最近、このような新しい端末や新しいサービスの利用に伴う
情報漏えい事故が頻発し、たびたびニュースにもなっています。

スマートフォンやiPadなどのスレート端末を利用している先生方に利用実態を
お聞きすると、「情報漏えい事故を起こしたら困るからパソコンにはウイルス対策などの
セキュリティソフトを入れているけど、スマートフォンには入れていない」という方が
ほとんどのようです。

確かにスマートフォンやスレート端末は、パソコンとは全く別物の「安全な機械」
のように見えますが、その実態はパソコンそのものなのです。
したがって、ウイルスに感染して情報漏えいを起こす危険性がある上、
スマートフォンは「電話」であるため、電話帳に多数の電話番号やメールアドレスなどの
プライバシー情報が大量に保存され、それらが漏えいした場合のリスクが
非常に大きいという特徴があります。

しかも最近は、緊急連絡のために、保護者や他の先生方の電話番号・メールアドレスを
登録されている先生も多く、
高校の先生方には、生徒の電話番号・メールアドレスを登録されている方も
たくさんいらっしゃいます。
これらの情報が広く流出すれば、大変なことになるのは言うまでもありません。

また、これらの情報漏えいを起こすソフトは、スパイウェアであることを
隠しているものもあります。
使用許諾書に「情報を取得する」という内容が明記してあるものの、
何も読まずに「同意」ボタンを押してしまっている場合がありますので、注意が必要です。

ぜひ、これからは、パソコンだけでなく、スマートフォンやスレート端末の
情報セキュリティにも留意していただきたいと思います。

藤村先生

鳴門教育大学大学院 准教授。民間企業と共同開発した教育用ソフトウェア、
情報教育・社会教育・総合学習に関する著書が多数あり。
NHK、文部科学省、総務省、経済産業省関連の各種委員会の委員長、
委員も勤めている。

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