2013.05.31
札幌市教員研修で、ISENが講演
2012年12月、札幌市から依頼を受け、教員研修での講演を
ISEN副委員長である大溝が担当しました。(現在、副委員長は変更されています)
この研修は、札幌市内の幼稚園、小学校、中学校の教員を対象に
行われたものです。各校1名ずつ、代表者が受講しました。
大溝の講演は研修の前半で実施しました。
現在、全国で、セキュリティポリシーなどの学校での情報の取り扱いに
関するルールを定めている自治体は9割程度となっています。
しかし、情報セキュリティ事故は後を絶ちません。
ルールを守ることができない教員の存在も事故の原因の1つです。
そこで、今回の講演ではISENが実施している教員の意識調査の分析結果から、
「ルールを守れない教員とはどのような教員か」という部分を取り上げました。
分析結果からは、「ルールを守れていない教員の周囲の教員もルールを
守れていない」というデータを提示しました。
ルールを守るか、守らないかは学校ごとに傾向が決まるといえます。
このため、情報セキュリティ対策には、個人個人の意識向上だけでなく、
組織的な対策が必要であるということを、参加者の先生方に伝えました。
(分析結果はメールマガジン会員限定コンテンツの調査結果で公開しています。
ぜひそちらをご覧ください >>会員登録はこちら)
また、大溝が所属するNPO日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)が、
一般企業に勤務する人を対象に行った調査結果も紹介しました。
事故を起こしやすい「おっちょこちょいな人」の話をしました。
JNSAのデータからは、「複数回事故を起こして、色々なものをなくしてしまう人」は
情報セキュリティに関する知識は持っているが、遅刻が多かったり、
約束を勘違いしたり、忘れ物が多かったり、と普段の行動から
ややルーズな傾向がみられることを説明しました。
参加者からは、「具体的なデータに基づいた内容がわかりやすかった」という
評価をいただきました。「おっちょこちょいの人がどのような行動をするのか、
さらに調べてみて欲しい」といった感想もいただきました。
研修の後半は、株式会社JMCによるワークショップ「リスク脳研修」が
実施されました。この研修は、6人ずつグループに分かれ、イラストを見て、
情報セキュリティのリスクについて考え、話し合うというものです。
イラストは、先生方が職員室や居酒屋などでよく遭遇しそうなシチュエーションが
描かれたものを利用しました。札幌市で使われているセキュリティツールの
使い方に関する内容も含まれ、学校の実情に合わせた研修となりました。
ワークショップでは、各グループで活発に話し合いをする様子が見られ、
「具体的な事例でわかりやすかった」「他の人との気付きや意識、
考え方の違いがわかった」という声が聞かれました。
また、グループワークを通して他校の先生と交流し、情報セキュリティ対策に
関して情報交換を行ったことについても「参考になった」という感想をいただきました。
集合研修の場合は、自分自身の知識習得や意識向上だけでなく、
学校に帰ってから周囲の先生に、学んだことをどう広めるかも大切です。
ぜひ、本サイト「今日もワンステップ!」もご活用ください。
※2013年3月時点の内容です。2013年5月現在、副委員長は変更されています。
ISEN事務局
ISENは、研究者・企業の専門家などで構成された団体。学校の教職員の方の情報セキュリティへの意識啓発のため、 Webサイト、メールマガジンでの情報発信、調査・研究活動などを行っている。