2015.01.15
【情報モラル教育の手引き】 3つの権利に分類される知的所有権
創作活動を行った人が持つ著作権や特許権。
これらの権利は、知的所有権や知的財産権などと呼ばれます。
知的所有権は「著作権」「工業所有権」「その他の権利」の3つに分類されます。
今回は、理解しやすい「工業所有権」と「その他の権利」の2つを説明します。
工業所有権は「特許権」「意匠権」などで、特許庁に申請して認められるものです。
「特許権」は、新たな発明を創作した者に与えられる独占権です。
特許期間は、申請から20年間とされています。
最近話題の3Dプリンターについては、一部の特許期間が終了したので、
これまで高価で工業用だったものが、価格が下がり家電量販店でも
販売されるようになりました。
今後、いくつかの3Dプリンター関係の特許期間が終了するようなので、
多様な3Dプリンターが一般向けに販売されるものと考えられます。
「意匠権」は、デザインを保護する権利です。
しかし、すべてのデザインが対象ではなく「工業的に大量生産できること」
という条件があります。自動車や衣装などが対象です。
保護される期間は、特許権と同様、登録設定から20年間です。
工業性のない美術品のデザインは、著作物となり「著作権」で
保護されることになります。
その他の権利は「育成者権」「回路配置利用権」などがあります。
「育成者権」は、種苗法によって、植物の新品種を保護されるものです。
保護される期間は、登録日から25年、樹木は30年です。
「回路配置利用権」は、半導体集積回路の回路配置に関する法律によって、
半導体の回路配置を保護するものです。保護される期間は、
技術の進歩が速いので、他の権利と比べて10年と短くなっています。
ISEN副委員長 井上
株式会社JMC
APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会) テクニカルアドバイザー。
校務情報化や情報モラルに精通し、文部科学省や総務省の委員会や委託事業にも参画している。