2015.01.15
【情報モラル教育の手引き】著作権と著作隣接権について
著作権は「著作を行った著作者の権利である著作権」と
「それを広める伝達者の権利となる著作隣接権」に分類することができます。
著作権は、小説や講演、論文、脚本、音楽、振付、映画、写真、コンピューター
プログラム、編集物などの著作物を創った人が持つ権利です。
著作隣接権は、著作物を広く広める実演家、レコード製作者、
放送事業者(有線放送事業者も含む)などがを持つ権利です。
作詞作曲実演をすべて一人で行った場合はわかりやすいですが、
多くの場合を考えてみましょう。
今は亡き美空ひばりさんの名曲「川の流れのように」は、作詞が秋元康氏、
作曲は見岳章氏です。つまり著作権は秋元康氏、見岳章氏が持ち、
著作隣接権は美空ひばりさんが実演家として持つことになります。
さらに、レコードを製作して売ることによって人々に伝達する「レコード製作者」、
構成や演出を工夫し、放送という手段で伝達する「放送事業者」も同様に
著作隣接権という権利を持つことになります。
もし、誰かがラジオのリクエスト番組を録音して、Web上で公開したり、
ダビングして販売すると、作曲者や作詞者、実演家、レコード製作者、放送局
すべてから訴えらることになってしまいます。
プロの作詞家、作曲家、歌手の方で説明しましたが、
著作権や著作隣接権はプロもアマチュアも関係ありません。
カラオケで一般の方が曲を歌った場合でも、その方が実演家としての
著作隣接権を有することになります。
ISEN副委員長 井上
株式会社JMC
APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会) テクニカルアドバイザー。
校務情報化や情報モラルに精通し、文部科学省や総務省の委員会や委託事業にも参画している。