2015.01.15
子供たちの情報モラルを育むために必要なこと
社会全体の情報化により、学校や家庭のICT環境も多様になっている。
学校ではICTを活用した教育が推進され、
家庭ではケータイやスマホに関する啓発、教育の必要性が叫ばれている。
学校や家庭のいずれにおいても重視すべき道徳教育として、
小・中学校の学習指導要領 解説道徳編で
「インターネット上の『掲示板』への書き込みによる
誹謗中傷やいじめといった情報化の影の部分に対応するため、
発達の段階に応じて情報モラルを取り扱う」ことが示されている。
このように、道徳の指導内容にも「情報化」「ICT環境」が
影響していると言える。
情報化時代において、子供たちに身に付けさせたい必須の力として、
私は「自制心」を挙げたい。
自制心は「自分の感情や欲望をおさえようとする心」(広辞苑)であり、
子供に言うときの「我慢する心」である。
この心は、子供の幼少期から家庭や保育所・幼稚園でのいろいろな経験に
よって育まれながら児童期を迎え、小学校生活のさまざまな場面において
そのありようが顕在化すると言える。
よって、小学校や中学校のさまざまな生活場面で
自制心が必要な状況を意図的に設け、よりよい行動や心のありようを
促す教育活動が必要であると考える。
私はこの自制心がICTを使った際の情報モラルに
直接的に良い影響を与えると考えている。
さらに言えば、この自制心は子供たちだけでなく、
現代の大人たちにとっても必要なものであると考えている。
村井先生
・1956年生、1980年から小学校教員を26年間務める。
・2006年4月金沢星稜大学経済学部助教授として着任。
2008年4月同大学人間科学部教授、2011-2013年人間科学部長。
2014年金沢星稜大学総合研究所「ICT教育活用研究所」所長。
・専門は、教育工学、教育メディア学、コンピュータ利用教育学、
日本生活科・総合的学習教育学。
・主な著書は「基礎から学ぶパソコン」(共立出版)、「デジタル教材で理科が変わる」
(ぎょうせい)、「続・コミュニケーション力育成の手引」(高陵社書店)など
・ED-MEDIA2010においてOutstanding Poster Awardを受賞。