2015.01.29
【情報モラル教育の手引き】プライバシー権について
今回は肖像権における「プライバシー権」について考えてみましょう。
よく「プライバシーの侵害」という言葉を見たり聞いたりしますが、
法律上ではどのような扱いになるのかご存知でしょうか。
日本で初めてプライバシー権が認められた有名な判例をみてみましょう。
以下の内容は、三島由紀夫の小説「宴のあと」のモデルとされた政治家が、
私生活を暴かれ覗き見されたような内容(描写・表現)に対して、
プライバシーを侵害されたと訴えた事件におけるものです。
現在でもこの考え方が踏襲されています。
判決の内容:
プライバシーの侵害に対し法的な救済が与えられるためには、公開された内容が
私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのある事柄
であること、一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立った場合公開を
欲しないであろうと認められる事柄であること、換言すれば一般人の感覚を
基準として公開されることによって心理的な負担、不安を覚えるであろうと
認められる事柄であること、一般の人々に未だ知られていない事柄で
あることを必要とし、このような公開によって当該私人が実際に不快、
不安の念を覚えたことを必要とする。
当たり前ですが、私生活などに踏み入るような、
人の嫌がることはしてはいけません。
ISEN副委員長 井上
株式会社JMC
APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会) テクニカルアドバイザー。
校務情報化や情報モラルに精通し、文部科学省や総務省の委員会や委託事業にも参画している。