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学校ICT 専門家・研究者のコラム

2015.04.30

ネット依存(2)「時代の変化」

 スマートフォン(以下スマホ)やタブレット端末など、手軽に持ち運べる
携帯端末が広く普及していなかった時代は、ネット依存というと
部屋に閉じこもって(引きこもって)インターネットやオンラインゲームばかりして、
外に出ようとしない若者というイメージがありました。

しかし、今では普通に生活していながら、スマホや携帯ゲーム機、タブレット端末
などの携帯端末を手放せないネット依存が多数を占めていると考えられます。

民間の情報セキュリティ会社「デジタルアーツ」が、2015年2月9日に発表した
インターネット調査の結果では、女子高生は平均で1日7時間以上使用しており、
10人に1人は15時間以上使用しているとされています。15時間以上というと、
1日のうち就寝時間以外はほぼ使用していることになります。

 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス:
Social Networking Service)を止められないという話をよく聞きます。

SNSで最もユーザーの多いサービスであるLINE(ライン)を
例に考えてみましょう。このサービスが急速な広がりを見せた背景には、
電子メールより簡単な操作でメッセージや画像をやり取りでき、
容易にグループを作れる上に、すぐに相手をブロックできるといった
便利さなどが考えられます。

サービスが普及していくと「みんながやっているから」、
「仲間内の話題に遅れないように」、「仲間外れにされないように」と
考えるようになったのかもしれません。
そのうちに、いつの間にか携帯端末を手放せなく
なってしまったのではないでしょうか。

これはネット依存というより「仲間外れにされたくない」、
「話の輪の中にいたい」という「仲間依存」が
本質的にはあるのかもしれません。

 以前はネット依存が原因の引きこもりには、実生活の中で信頼して
話し合える友人がいないということが考えられていました。
しかし、今では実生活に友人はいるが、その輪から外されたくない
という状況に変わっているのではないでしょうか。

ISEN副委員長 井上

株式会社JMC
APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会) テクニカルアドバイザー。
校務情報化や情報モラルに精通し、文部科学省や総務省の委員会や委託事業にも参画している。

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