2015.11.11
教育のICT化を前進させる3つのポイント (2)
前回はICT機器をどう活用するかを中心に検討し、導入を進めたという内容でした。
今回は環境整備する上で重視した3つのポイントのうち、2つをご紹介します。
(1)学校現場と行政の連携
本市では、導入前からICT機器をどのように活用するかを検討するために、
情報化推進委員会という組織を設置し、校務の情報化部会、授業の情報化部会、
スクール・ニューディール部会(モデル校での実証検証の管理及び先行研究)の
大きく3つの部会に分かれて活動していました。
メンバーは、市教育委員会と現場教員、ICT機器担当業者などで構成され、
議題に応じて柔軟にメンバーを変えながら、現在まで協議を進めてきました。
情報化推進委員会の事務局は、市教育委員会であり、協議の中で行政の見方、
学校現場の見方などを出し合い、そのギャップに互いに驚くことも多々
ありました。双方が当たり前だと思っていたことをもう一度問い直し、
学校文化の見直しまで視野に入れて調整してきました。
そのやり取りの中で、双方にとって目指すべきビジョンが明確になって
きました。そして、子供たちにとって一番良いと思われることはどのような
ことかを考えながら、実現可能なことを提案し、推進してきました。
また、事務局からの提案で、学校現場の実情と熱意を伝えるために、
理事者(市長)へ、ICT機器導入についての教員の思いをメッセージにして
届けるようなことも実施しました。
このような事務局の努力で、学校現場からのニーズを汲み取るとともに、
教員だけでは思いつかないような行政との連携が図れたことは、
この事業の推進の大きな力となっていると感じています。
(2)モデル校での実証事業
校務支援システムにおいても、ICT機器の環境整備においても、
必ずモデル校を設定し、実証事業を繰り返してきました。
モデル校での実証事業後、教員へのアンケートや聞き取り調査、効果測定を
行い、ICT機器やシステムを選定するための参考資料としてきました。
この実証事業がベターなユースケースを考えるのに大変役立ちました。
本市の取り組みがトップダウンではなく、ボトムアップで行われてきた
原動力は、この実証事業の成果であると思います。
また、平成27年11月25日には、本市のモデル校である
西条市立神戸小学校(http://saijo-kambe-e.esnet.ed.jp/)では、
「ICTを活用した21世紀型スキル教育実証事業の研究大会」が行われます。
本市のこれまでの取り組みに加えて、タブレット端末の活用を
視野に入れた実践発表を行いますので、ぜひご参加ください。
■ICTを活用した教育実証事業研究大会のご案内
>> https://www.city.saijo.ehime.jp/soshiki/gakkokyoiku/gk0059.html
山内先生
愛媛県西条市立氷見小学校 教諭
NHKティーチャーズ・ライブラリー編集委員
西条市情報化推進委員