2015.11.24
教育のICT化を前進させる3つのポイント (3)
前回は学校現場と行政の連携、モデル校での実証事業についてお話しました。
今回は客観的な意見の事業への反映と今後の展望についてです。
(3)先進地からの刺激と客観的な助言
情報化推進委員会のメンバーで、他県のICT先進地域を視察しました。そして、
視察から見えてきた良い点、改善点などを事業の取り組みに生かしてきました。
また、第三者的な立場からアドバイスをいただくことで、この事業の活性化に
取り組みました。いくら、自分たちで良い取り組みをしていると思っていても、
その妥当性を客観的に判断しづらい場合があります。
今自分たちの取り組みは、どこまで進んでいるのか、
これからどう進んでいけば良いのか、客観的な立場から指摘していただくのは、
前進するために必要不可欠なことです。
本市の場合は、APPLIC(一般財団法人 全国地域情報化推進協会)による
総務省地域情報化アドバイザー派遣の申請を行い、
鳴門教育大学の藤村裕一先生にアドバイザーとして来ていただきました。
■総務省地域情報化アドバイザー派遣:APPLIC
>> http://www.applic.or.jp/prom/chiiki_adviser/
藤村先生には、本市の取り組みを客観的に判断していただき、
具体的にどのように実現させていくのか、たくさんの助言をいただきました。
APPLICではアドバイザーの申請をすることで、年間数回無料で
ICTの専門家による意見を聞くことができます。
先進地域からの刺激やアドバイザーからの指摘や助言によって、本事業がより
活発になったのは言うまでもありません。このアドバイザーの存在なしでは、
この事業は前進できなかったと断言できるくらいです。
<<まとめ>>
本市の取り組みを前進させた3つのポイントをまとめると、
次のようになります。
(1)現場と行政の連携の場を設定し、子供たちにとってより良い
学習環境のICT化とはどのようなものか、知恵を出し合う。
ビジョンは、行政に任せっぱなしにするのではなく、
学校現場からも提案していくことが大事。
(2)ものを入れるのが優先ではなく、
どのように使うかを考えてICT機器環境を整備する。
(3)前へ進むために、身内だけで固まらず、先進地域や外部からの
刺激や助言を受ける。
本市の教育のICT化は、まだこの先のビジョンがあります。
21世紀型スキルを身に付けるためのタブレット端末の活用、ICT化を学力向上
につなげていくためにどのように利活用していくか、ICT化は先生たちの
授業をどう変えるかなど、実践的に研究を進めていく必要があります。
当然、手書きの良さ、じっくりと辞書を引くことも今までと変わらずに
大切なことです。デジタルとアナログ、それぞれの良さをしっかりと
使い分けながら、子供たちにとって、より良い学びの場が構築できるよう
今後も取り組んでいきたいと思います。
山内先生
愛媛県西条市立氷見小学校 教諭
NHKティーチャーズ・ライブラリー編集委員
西条市情報化推進委員