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研究を重ねた専門家が指南 学校ICT・セキュリティコラム

学校ICT 専門家・研究者のコラム

2016.03.25

「平成27年度 情報セキュリティに対する教職員の意識」調査報告書より(2)

前回に続き、『「平成27年度 情報セキュリティに対する教職員の意識」
調査報告書』の内容をみてみましょう。
>>http://school-security.jp/pdf/ISEN2015_SurveyReport.pdf

(3)学校のICT機器
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「学校のICT機器・ソフトウェア・セキュリティ」の
「機器は十分に整備されている」という設問では、
「とてもそう思う」「どちらかと言えばそう思う」と回答した
教員の割合が合わせて、54.9%を占めます。

文部科学省が公表している「平成26年度 学校における教育の情報化の
実態等に関する調査結果」では、文部科学省が目標とする
児童・生徒3.6人に1台のコンピューター整備には遠く及ばず、
6.4人に1台という状況です。

このように整備が進んでいない中で、この結果には驚きです。
整備が進んでいる地域・学校に所属されている方が多かったのでしょうか、
教員の校務に関する質問が少し続いたので教員用のICT機器と
思われたのでしょうか。
それとも、子供たちにはこの程度の整備で十分と考えた結果でしょうか。
疑問の残る結果となりました。

(4)私物のICT機器の利用
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「私物のICT機器の利用」という設問で、
「私物のパソコンを校務で使っていると思う」と
回答した教員の割合は21.6%です。

「私物のタブレット端末を校務で使っていると思う」が10.5%で、
単純には言えませんが、これらを合せると3割を超えます。

「情報を持ち帰るときに利用する媒体」では、
「私物のUSBメモリ」が27.2%、「私物のパソコン」が6.7%、
「私用のメール」も5.1%という回答結果です。

校務情報は多くのセンシティブな個人情報が含まれますので、
非常に危険な状況と言わざるを得ない結果です。

ほとんどの自治体・教育委員会のセキュリティポリシーでは、
私物のICT機器の利用は禁止もしくは制限されていると思われます。
特に個人情報の取り扱いに関しては、厳しくなっている状況下で
この結果を見ると、個人情報の流出事故がなかなか減らない
現実が見えてきます。

ISEN副委員長 井上

株式会社JMC
APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会) テクニカルアドバイザー。
校務情報化や情報モラルに精通し、文部科学省や総務省の委員会や委託事業にも参画している。

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