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学校ICT 専門家・研究者のコラム

2016.05.27

求められるICTリテラシー

インターネットやスマートフォンなどICTメディアの利用が急速に進展しており、
また、ブログやSNSなどのコミュニケーション手段の普及も著しいものがある。

光が当たると必ず影ができると古くから言われているが、
近年のコミュニケーション手段の多様化が引き起こす危険性も増大している。

特に、個人情報の漏えい、いじめの誘発、誇大情報による詐取事件など、
子供たちだけでなく、一般社会人の間にも大きな影響を及ぼしているようだ。

しかし、ともするとICTメディアがはらむ危険性やマイナス面が
強調されがちだが、ICTメディアの利活用の進展は、その利便性や
創造力、表現力、コミュニケーショ ン能力を鍛え育む手段としての
有用性など多くのプラス効果をしっかりと見据えることが大切だと思う。

そこで、ICTメディアの特性を踏まえ、危険性だけでなく
利便性や創造性についても同時に理解し活用できるよう、
ICTリテラシーの育成が大きな課題となってくる。

つまり、学校教育における計画的なICTリテラシー育成に加えて、
一般社会においても、それぞれが、多様なメディアを含めて
ICTメディアが発信する情報を、主体的かつ冷静に的確に読み解き、
判断する力、そして自らも発信する力を身に付けることが
日常生活を営む上で必要不可欠となっている。

以前から、ICTメディアリテラシーとして、
ICTメディアを安全に使う能力、情報収集し、表現・伝達する能力
などの育成が言われてきたが、今日のメディア環境を踏まえた場合、
次の能力を特に身に付けることが大切だと考える。

・ICTメディアにおける送り手の意図を批判的に読み解く能力
・主体的にコミュニケーションする能力と相手を尊重する態度

つまり、日常的に利用しているICTメディアの状況を考えた場合、
情報の多くが構成されたものであることをしっかりと認識して、
対応することが必要であろう。

さらに、SNSなどをコミュニケーションツールとして利用する能力や、
コミュニケーションのマナーを身に付けることも重要だと考える。

学校教育においては、今後、計画的なリテラシー教育の実施により、
進化するICTメディアを効果的かつ安全に使う能力が育成されることが
期待されるが、むしろ一般社会におけるICTメディアをはじめ
多様なメディアと対応できる総合的なリテラシーの育成が大きな課題であろう。

松田氏

全国視聴覚教育連盟 常任理事・専門委員長
能力工学開発センター 評議員

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