2016.07.22
平成27年度 学校・教育機関における個人情報漏えい事故の発生状況(2)
前回に引き続き、6月24日にISENで公開した「平成27年度 学校・教育機関
における個人情報漏えい事故の発生状況」調査報告書の内容をご紹介します。
http://school-security.jp/leak_all/
個人情報の漏えい事故の種類をみると、
紛失・置き忘れは67.9%、盗難が15.7%です。
個人情報が安全なサーバー上にあるのではなく、
「学校の先生方が持ち帰る」という状況が考えられます。
自宅でもセキュアな環境で校務ができる自治体もありますが、
まだまだ少ないのでしばらくこの傾向は続くものと考えられます。
漏えい経路・媒体別事故発生比率では、書類が53.1%、
USBメモリが22.9%と、この二つで全体の8割を占めています。
そして、インターネットが8.7%と続いています。
漏えい経路・媒体別個人情報漏えい人数では、
インターネットが146,604人と最も多く、USBメモリが88,946人、
パソコン本体が32,540人で、書類は10,443人で4番目でした。
上位のインターネットとUSBメモリだけで、
235,000人以上の個人情報が漏えいしています。
漏えい経路・媒体別事故1件あたりの個人情報漏えい人数では、
インターネットが突出し、事故1件あたり9,000人を超えています。
パソコン本体でも2,700人超、USBメモリで2,200人超です。
電子媒体では大量のデータを容易に取り扱えるので、
1件あたりの漏えい人数が増えてしまう傾向があります。
不用意な情報漏えいを防ぐために、
過去のデータの消去も忘れないようにしましょう。
また、規定違反を伴う「紛失・置き忘れ」「盗難」事故の発生比率をみると、
規定違反ありが「紛失・置き忘れ」「盗難」ともに3分の1を超えています。
規定の周知徹底をしましょう。
ISEN副委員長 井上
株式会社JMC
APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会) テクニカルアドバイザー。
校務情報化や情報モラルに精通し、文部科学省や総務省の委員会や委託事業にも参画している。