2017.02.10
学校ICT環境整備【行政の立場】~ 手立てと整備仕様へのこだわり ~(後編)
<前回は「児童・生徒用タブレット端末整備」、
「中学校の電子黒板等整備」についてのお話をいただきました。>
■ 中学校の電子黒板等整備(平成28年度整備)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
本市の中学校は、普通教室に大型モニターが整備されていない状況が
長く続いていたが、昨年度にやっと予算化できた。
そして昨年秋、市内20中学校350教室すべてに、電子黒板と書画カメラ、
画像転送機能付き無線AP(アクセスポイント)を導入した。
併せて、全校に校内LANを利用した映像配信システムも導入した。
このICT環境が整ったことで、以前から導入していた6教科分の
指導者用デジタル教科書の活用率は飛躍的に高まった。
さらに、本校では映像配信システム使って、昨年秋に着任した
ALT紹介を校長室から全教室に配信することができた。
また、二学期の各行事の様子を校内映像配信サーバーに保存しておき、
各教室で自由に視聴できるようになった。
他校ではインフルエンザ流行時に感染防止のため、
生徒会選挙の所信表明演説を各教室への動画配信によって
行ったという実践例も出てきている。
このような本市のICT環境は、私が知る限りでは
全国でも最先端の状態だと考えている。
この予算獲得は、足掛け3年掛かったものである。
「なぜ教室に大型のモニターが必要なのか」ということを、
市の上層部に理解してもらうのに苦労したものである。
その際、普通教室でのインクルーシブ教育の理念も引き合いに
出しながら説得し、理解を得たものである。
教育用ICT機器整備は、限られた予算の中でどれだけ学校現場の感覚を
大切にして、最大限の機能を実現する仕様書が書けるかが重要である。
さらに、仕様書に愛情を込めなければ、良いものはできないと考えている。
そのためには「学校現場からの徹底的な聞き取り」と
「学校現場でのICT活用イメージをしっかり持つこと」が何より大切だ。
なお、当時の仕様書は提供できるので、
必要な場合は以下に問い合わせていただきたい。
西宮市教育委員会 学校情報システム課 0798-35-3880
星川先生
兵庫県西宮市立深津中学校 校長