2017.03.10
教育の情報化がこれから進む地域でのちょっとした取り組み(1)
島根県の教育の情報化はまだまだですが、少ない予算の中でも現場で工夫し、
取り組んでいることをご紹介していきます。
<校務の情報化>
(1)簡単にできる紙ベースのアンケート作成と集計
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学校で、よく大量のアンケート処理を行います。
そこで利用しているのがSQS(Shared Questionnaire System)です。
SQSは、千葉商科大学政策情報学部 准教授 久保裕也氏により
開発されたオープンソースのマークシート方式のアンケートシステムです。
パソコン(インターネット環境が必要)と、
スキャナー機能を備えたコピー機または専用スキャナーで処理できます。
ソフトウェアは、Webから無料で入手できます。
Java環境で利用するので、Windows でも Mac でも使えます。
アンケート作成ソフト「SQS SourceEditor2.1」で
マークシート方式のアンケートを作ります。
選択、複数回答、自由記述に対応しています。
読み取りソフト「SQS MarkReader2.1」で処理して集計します。
自由記述も自動集計で集約されます。
クロス集計可能なExcelデータも出力されます。
一度使い始めると、便利で止めることができません。
とても助かっています。
■ SQS(Shared Questionnaire System)サイトURL
http://dev.sqs2.net/
全国の教育センターや教育委員会で参考になるページがあります。
・岩手県立総合教育センター SQSテキスト
http://www1.iwate-ed.jp/tantou/joho/text/h25/index.html
・取手市教育委員会「SQS資料&ツール集」サイト
http://www3.schoolweb.ne.jp/swas/index.php?id=0840002&frame=frm51b9532e5df73
・やまぐち総合教育支援センター
http://shien.ysn21.jp/contents/teacher/koumu/sqs.html
(2)ファイル管理
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もう一つ、校内文書の電子化による情報共有と管理について
ご紹介します。島根県では小・中学校の事務職員のグループで考案し、
広まっている方法です。
学校に来た大量の文書は、文書がどこにあるのか探すのが大変で、
文書が私(死)文書化することもあります。
そこで文書を電子化し、フリーソフトを利用して
タグをつけて管理します。
私の学校で使っているのは、「Portable FenrirFS(フェンリル)」
というフリーソフトのポータブル版です。
■ Portable FenrirFS(フェンリル)サイトURL
http://www.fenrir-inc.com/jp/fenrirfs/
まずは、スキャナーで文書をスキャンしPDF化します。
専用スキャナを用意すると、SQSアンケートと合わせて使え、
一石二鳥です。
フェンリルでタグ付けします(タグは複数可能)。
(タグ付けの例)
校務文書 [総務][教務][生徒指導][進路][研究]…
関係する担当者名[田中][鈴木]…
その他、コメント欄に発送元や報告日などを入力。
校内LANの文書専用の共有スペースに保管し、
起動のためショートカットを用意します。
ネットワーク上の教職員用パソコンすべてで使います。
(同時起動はできないため、使ったら終了するのがお約束です)
教育委員会の許可を得て、市町村単位で文書管理を
これに一本化しているところもあります。
使用のポイント
・校長の決裁印があるものを電子化すること。
・電子化するものと、電子化しないものを区別し、
便りや生徒指導、就学援助に関するものなど個人情報が
載っているものは電子化せずに、紙媒体で管理する。
メリット
・文書受付時間の短縮
・校内の文書保管スペースが大幅に縮小
・文書検索が容易
次回は「授業におけるICT活用」として、
スモウルビーを利用したプログラミング教育をご紹介します。
※
瀬崎先生
島根県安来市広瀬中学校 教諭
元 島根県教育センター研究・情報スタッフ 指導主事
NHKティーチャーズ・ライブラリー編集委員
島根県メディア教育研究会 事務局員