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学校ICT 専門家・研究者のコラム

2018.01.26

ISEN「平成28年度 学校・教育機関における個人情報漏えい事故の発生状況」(1)

 ISENでは毎年、学校・教育機関における個人情報漏えい事故の発生状況を調査し、
Webに公開しています。この調査結果は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の
情報セキュリティ白書や文部科学省の資料などにも引用されています。
その平成28年度の調査結果をご紹介します。

(1)減らない事故

 平成28年度は205件の事故が発生しました。個人情報漏えい人数は102,046人と
なっています。これはあくまでISENが調査可能な範囲での数字です。
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Webなどのメディアに公開されたものだけです。
公開されていない事故を含めるとかなりの数になるものと思われます。
過去12年間の個人情報漏えい事故の発生件数推移は、おおむね150件前後ですが、
平成28年度は、200件を超えました。これは平成20年度以来のことです。
また、個人情報漏えい人数は、増減幅が大きいものの、平成25年度以降は
毎年1万人を超えています。なかなか個人情報漏えい事故はなくなりません。

 文部科学省が教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインを
公表しています。お金がかかることはすぐには対応できませんが、
情報資産の分類などを全教職員で行うことで、センシティブな情報が
どこにあるのか、不要なデータや書類は確実に廃棄や消去ができているかなどを
確認し、皆が意識するだけでも変わると考えます。研修も重要ですが、
講演などを聞くだけの座学より、ワークショップ的な活動を伴う方が
より効果的であると考えます。大きな個人情報漏えい事故が起こる前に
実施されることをお勧めします。

次回は、事故の発生多発時期や場所をご紹介します。

ISEN副委員長 井上

株式会社JMC
APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会) テクニカルアドバイザー。
校務情報化や情報モラルに精通し、文部科学省や総務省の委員会や委託事業にも参画している。

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