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2018.02.09

ISEN「平成28年度 学校・教育機関における個人情報漏えい事故の発生状況」(2)

前回に引き続き、平成28年度の学校・教育機関における個人情報漏えい事故の
発生状況の調査結果をご紹介します。

(2)個人情報漏えい事故発生多発時期、場所など

 個人情報漏えい事故の発生時期には大きな特徴があります。
年度始め、学期末といった先生方が多忙となる時期に多くなっています。
過去7年の平均値を見ると、特に、年度始めから1学期と学期末に多くなっています。
学校の状況を考えるとよく理解できます。逆に考えると、この多忙で危険な時期に
気を付けて過ごせば事故は減らせることになります。管理職の方も当然多忙な
時期なので大変だとは思いますが、朝礼での注意喚起や、日ごろの声掛けの中で
意識してみてはいかがでしょうか。

 事故の発生場所を見ると、「学校内」が47.3%、「学校外」が31.2%、
「不明」が21.5%となっています。学校内の事故は、「紛失・置き忘れ」、
「誤廃棄」、「誤送信」などとなっています。種類別の事故発生比率は、
USBメモリやパソコンなどの「紛失・置き忘れ」が55.6%と最も多くなっています。
「紛失・置き忘れ」の発生場所は、「学校内」、「学校外」、「不明」とほぼ同じ比率と
なっています。USBメモリは小さいので、特に注意が必要です。
ある自治体では、USBメモリに首からさげるストラップを付け、連絡先の札や
シールも合わせて付けています。その連絡先も、学校や教育委員会ではなく、
××サポートセンターとして、学校ということがわからないような配慮をしています。
盗難は、やはり学校外が7割を超えています。個人情報を含んだ書類やUSBメモリを
持ち出さなくてもよいように、セキュアな環境で学校外でも校務を行える仕組みの
構築が望まれます。

次回は、媒体別の事故発生比率をご紹介します。

ISEN副委員長 井上

株式会社JMC
APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会) テクニカルアドバイザー。
校務情報化や情報モラルに精通し、文部科学省や総務省の委員会や委託事業にも参画している。

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