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2018.07.13

ISENオーストラリア教育現場視察報告(1)

 ISENでは、ほぼ毎年、海外の教育現場の現状を視察しています。これまで、
韓国、中国上海、シンガポール、オーストラリアなどを訪問してきました。
昨年度は、オーストラリアを訪問し、クイーンズランド州の教育現場を
視察しましたので報告します。

 まず、オーストラリアの教育の概要を紹介します。オーストラリアには、
日本の文部科学省にあたる Federal Australian Government Department of Education
の下に ACARA:オーストラリア教育過程評価報告機関
(Australian Curriculum, Assessment and Reporting Authority)があります。
ACARAは国の教育カリキュラムを作成し、全国統一学力試験も実施しています。
ここを訪問しました。

 オーストラリアの年度は、カレンダー通りで、1月1日から新年度が始まります。
国語(英語)、数学、歴史、科学といった8教科と4領域すべてに、
7つの基本能力として、(1)読み書き能力、(2)計算能力、(3)ICT活用能力、
(4)批判的及び創造的思考力、(5)個人的、社会的能力、(6)異文化理解、
(7)論理的理解を入れています。

 これからの時代に必要なものとして、STEM(Science, Technology, Engineering,
and Mathematics)教育に力を入れています。最近はArtを加えて、STEAM教育も
進めています。NAP(National Assessment Program)と呼ばれる国としての
学力調査がいくつもあり、全員対象ものとしては、3年生、5年生、7年生、9年生が
対象のNAPLANという全国学力テストがあります。

 また、ACARAは、教育用のサイトも運営しており、教師が利用できる教材なども
多数掲載しています。クイーンズランド州教育省は、STEM教育に加えて、
ロボット、プログラミングに力を入れています。学校運営全般に関わる
OneSchool というシステムを開発し、各学校に提供しています。
このシステムは、生徒(学籍)管理、カリキュラム計画、財務および資産管理、
成績管理など多岐にわたります。入力は教師が担当し、登録されたデータは、
NAPの平均との比較などさまざまな角度での分析が可能で、児童・生徒の指導や
指導計画の作成に生かされるといいます。また、児童・生徒の健康状態や、
面接した記録なども登録できるものとなっています。クイーンズランド州教育省も、
独自でWebサイトを運営し、教員や児童・生徒が自由に活用できる教材を
提供しています。

次回は、学校現場を紹介します。

ISEN副委員長 井上

株式会社JMC
APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会) テクニカルアドバイザー。
校務情報化や情報モラルに精通し、文部科学省や総務省の委員会や委託事業にも参画している。

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