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2018.08.24

ISENオーストラリア教育現場視察報告(4)

 今回訪問した学校のほとんどの教室に、「I DO」「We DO」「You DO」の
ポスターが掲示されていました。特に小学校では、担任がそれぞれ工夫した
ものが掲示されていました。

 「I DO」は、まずおしゃべりせずによく見て、聞いて、自分自身で学んで
理解すること。「We DO」は、皆と共に作業し、理解を確認しあうこと。
「You DO」は、もう一度自身で作業して、学んだことを皆に示しましょう
というものです。日本では、アクティブ・ラーニングや協働学習という言葉が
先行し、上記の「We DO」の部分だけが強調されているように感じられますが、
「I DO」「We DO」「You DO」の流れの方が自然だと感じられました。

 「STEAM」(Science、Technology、Engineering、Art、Mathematics)
教育に関して、Merrimac State High School の校長は、「E」は「Engineering」
ではなく「Enterprise」の「E」として社会に直結した教育を実践し、
生徒もそれに応えていました。

 Ashmore State School では、目標管理が教職員だけではなく
児童にも明確にされており、指導が行き届いていました。
チームの場合は、その役割分担やスキルも明記されていました。
評価においても、目標を明確にし、教師と児童が相談して到達目標を決め、
児童自身が自己評価も行えるようになっており、
それが、教師と児童だけではなく、保護者も常に確認できるSeeSawという
システムをフルに活用していました。目標管理と自己評価などは、
日本の社会人が社会の評価システムで初めて体験するようなことを、
小学生から実践していることに驚かされました。
日本では特別支援学校の子供たちに対して個別の指導計画を作成し、
保護者とも話し合いをしていますが、通常学校での個別の指導計画の例は
あまりありません。個別の指導計画のようなことをごく自然に行い実践して、
常に前進している姿をうらやましくも感じました。

ISEN副委員長 井上

株式会社JMC
APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会) テクニカルアドバイザー。
校務情報化や情報モラルに精通し、文部科学省や総務省の委員会や委託事業にも参画している。

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