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研究を重ねた専門家が指南 学校ICT・セキュリティコラム

学校ICT 専門家・研究者のコラム

2018.10.26

平成29年度「学校・教育機関における個人情報漏えい事故の発生状況」 調査報告書より(3)規律違反はありませんか?

ISENで毎年実施している「個人情報漏えい事故の発生状況調査」の
平成29年度版報告書の内容をご紹介します。

 持ち出し禁止の情報を自宅に持ち帰っていたり、
管理職の許可を得て持ち出すルールを破っていたり、
私物USBメモリを無断で使用していたりといった
「規定の違反」を伴う事故が25.4%となっています。
また、盗難事故の6割は規定違反を伴うものであったとなっています。
「規定違反なしまたは不明」の中にも規定違反を伴う事故が含まれていると
考えられますので、ルールの徹底が望まれます。
しかしながら、そのルールも現実的で無理のないものでないと
現場が困りますので、一度見直しをされてはいかがでしょうか。

 参考資料には、教職員の処分についてまとめています。
平成28年度に「個人情報の不適切な取り扱いに係る処分」を受けた教職員は
543人となっています。
問題を起こした本人だけではなく、監督者も200人近くが監督責任により
懲戒処分を受けています。個人の意識を高め、学校全体で取り組む必要があります。

 個人情報の漏えい事故は、決して他人事ではありません。
学校は多くの個人情報を扱いますので、
学校で仕事をする誰もが事故を起こしてしまう危険があります。
個人情報に関しては、保護者の意識もかなり高くなっており、
世間の関心も増しています。

 事故が発生したとしても規定を守っている中での事故であれば、
処分も考慮されるものと考えられます。

 校務情報化が進み、完全電子化されれば個人の責任はかなり回避されるものと
思われますが、これにはまだ時間がかかりそうです。
現時点では、皆さんの意識を高めるのが最善の策と考えますので、
皆さん今一度個人情報の取り扱いについて考えてみましょう。

ISEN副委員長 井上

株式会社JMC
APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会) テクニカルアドバイザー。
校務情報化や情報モラルに精通し、文部科学省や総務省の委員会や委託事業にも参画している。

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