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学校ICT 専門家・研究者のコラム

2018.10.12

平成29年度「学校・教育機関における個人情報漏えい事故の発生状況」 調査報告書より(2)発生場所、媒体別事故発生率

ISENで毎年実施している「個人情報漏えい事故の発生状況調査」の
平成29年度版報告書の内容をご紹介します。

 個人情報の紛失や漏えい事故の発生場所としては、
学校内が61.6%、学校外が23.2%となっています。
学校内では「紛失・置忘れ」「誤送信」「誤配布」「誤廃棄」など、
学校外では「車上荒らし」「置き引き」「ひったくり」「紛失・置忘れ」などが
考えられます。紛失などは、発生場所が不明な場合もあります。
学校内での事故発生が6割を超えていますので、特に注意が必要です。

 種類別の事故発生率では「紛失・置忘れ」が61.6%と多くなっています。
次いで「誤配布」が15.3%です。3番目に多いのが「盗難」で8.5%、
4番目が「誤送信」で5.6%となっています。
このうち「盗難」以外は、ご本人の不注意、ミスとされても仕方がないものです。
特に「紛失・置忘れ」は時と場所を選びませんが、
この調査では「学校内」が48.6%と約半数を占めました。

 一方「盗難」は「学校外」が66.7%となっています。
その内訳を見ると、「車上荒らし」33.3%、「置き引き」26.7%となっており、
通勤途中と考えられる事故が多くなっています。

 また、媒体別の事故発生率では「書類」が61.1%と突出しており、
次いで「USBメモリ」が16.2%、「電子メール」5.4%となっています。
学校は紙の文化ですので、書類が多いのは十分理解できますが、
取り扱いには注意が必要です。
前回紹介した月別発生件数で年度始めと年度終わり、
初めての学期末に事故が多いことと合わせて見ると、
紙の書類が多く発生する時期とも重なります。
多忙な時ほど注意しましょう。

ISEN副委員長 井上

株式会社JMC
APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会) テクニカルアドバイザー。
校務情報化や情報モラルに精通し、文部科学省や総務省の委員会や委託事業にも参画している。

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