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研究を重ねた専門家が指南 学校ICT・セキュリティコラム

学校ICT 専門家・研究者のコラム

2018.12.14

情報機器の導入で、担当や教員のわがままが課題を解決できない方向へ

 学校に情報機器を導入することがなぜ難しいのでしょうか。
使い方がややこしいと思われたり、数が少なく共同で使ったりする機器は、
使われない傾向にあります。数々の失敗の中でわかったことがあります。
良かれと思って作った自作機器は、本人にしか使われなかったのです。

 私は、情報担当や県の総合教育センターで情報教育の研修や
情報機器の操作の研修担当をしていたこともあり、
教室で便利に使える機器を自作したことがありました。
例えば、大型TVとデジタルカメラを組み合わせ、
電気スタンドと組み合わせて実物投影機を作りました。
ほかの学級にも使ってもらえるように三つぐらい作りましたが、
稼働率はよくありませんでした。
私以外の先生方は使ってくれなかったのです。
「便利そうだけど、使い方がよくわからない」
「適切に映らなかったときの対応ができない」などでした。
なるほど!
気付いたのは、便利な市販の実物投影機が出始めて皆さんが使い出したとき、
「スイッチ一つで使えること」がとても大事なのだと。
それを、いつでも使えるように教室に配置しておくこと、
当たり前になっている環境が大切なのです。
そのためには、操作が簡単で壊れにくそうで、
使いたいと思い付いたときに使える機器を常に教室置いておくことです。
どんどん増えていく若い世代のためにも、
子どもたちにわかりやすい説明や指示を送ることのできる授業を作るためにも、
ぜひ学校現場に有効な機器をたくさん配置してはどうでしょうか。
えっ、行政が予算を配置してくれないって、そのためには戦略があります。
次回は、その戦略をお話しします。

「ワープロ専用機が学校に広まったのは、慣れるより個人が買ったことで広まった」
ずっと昔、30年ほど前に、ワープロを教える教員研修をしていたことがあります。
なかなかワープロは普及しなかったのですが、個人が買って持つようになってから、
ワープロを使う教員が増えました。
次のパソコンでは、文書を引き継ぐのが楽ですよとか、
パソコンがいいですよとか言わなくても、世間にパソコンが浸透してきたので、
今では学校にも必要なものだと認識されて導入され、個人でも所有しています。
今の学生さんたちは、パソコンではなくスマホを駆使しているようですが(笑)

「活用を広めるためには、世間で使われている機器を導入する」
そう考えると、家庭に大型TVが導入されてきている現在、
教室に大型TVを入れれば違和感なく使えるようになります。
また、家庭にDVDが広がると教室にも広がりました。
今は、家庭では便利なHDD録画機能を持っているレコーダーが主流です。
これに関しては、学校が遅れをとっているように思えます。
しかし、考えてみると機器研修を行う必要などないのです。
家庭の機器をそのまま(そう見えるように)教室に導入してしまえば簡単です。
そのために必要なことは、スイッチを一つ入れれば場面が映ることと、
各部屋に同じような簡単に使える機器が設置されていることです。

大事なことは、機器に詳しい人が、自分がどう使うかで仕様書を書くのではなく、
現場でいかに使いやすいか、どんな授業場面を想定するかを
見極めることだと考えます。授業がよりよくなるために、
機器がうまくサポートできるように!が大切なのだと思います。

中村先生

略歴
昭和33年3月18日生まれ 最終学齢 鳴門教育大学大学院 教育方法学
昭和57年4月  公立学校教員に採用後、三重県教育委員会事務局勤務、
        三重大学教育学部附属小学校教頭、大紀町立錦小学校校長、
        南伊勢町立南島東小学校長を経て    
平成30年3月  三重県度会郡南伊勢町立南勢小学校長を経て定年退職
平成30年4月  一般社団法人未来の大人応援プロジェクト事業部長就任、
        奈良教育大学特任講師
資格等:普通自動車免許、小学校教員専修免許、中学校教員専修免許、
    高等学校学校教員専修免許、教育情報化コーディネータ、
    文部科学大臣委託ICT活用教育アドアバイザー、ICTマイスター
専門:教育一般、ICT教育関連、
   文部科学省生涯教育課よりICT活用教育アドバイザー、防災教育

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