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研究を重ねた専門家が指南 学校ICT・セキュリティコラム

ISEN委員長 山西先生のコラム

2022.01.14

コンピューターを持って学びの海を航海しよう

新年、明けましておめでとうございます。
新型コロナの感染拡大が収まるかと思いきや、
新たな変異株オミクロンが世界に拡大、
日本でも心配な状況になってきました。
早く、平穏な日々が来ることを願うばかりです。
そんななかでも、未来ある児童・生徒の教育の質を
低下させるわけには行きません。
GIGAスクール構想で一人1台端末や高速大容量の環境整備は整いました。
いよいよ本格的に、新たな教育へのパラダイムシフトを加速させる段階です。

学習指導要領が求める学習の基盤となる資質・能力としての、
言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力をどう育てるか、
従来のICT利活用の延長線ではありません。
Society5.0時代は、情報化が益々進展し
VUCA(Volatile Uncertain Complex Ambiguous:
予測困難で不確実、複雑で曖昧)な時代と言われています。
その時代を生きる資質・能力として、
OECDはEducation 2030を発表しました。
ラーニングコンパスをもって、自らの学びを自らが主体的にかじ取りしながら、
新たな価値を創造し、様々な対立のジレンマにうまく対処し、責任ある行動を取る、
そんな資質・能力をもった児童・生徒を育てる教育です。
アクティブ・ラーニングが求める
「主体的で、対話的で深い学び」にもつながっています。
もはや学校だけが学びの場ではありません。
家庭、地域など、いつでもどこでも誰とでも、
いわゆるユビキタスな学習環境のもとで学べる時代なのです。
GIGAスクールの一人1台端末や高速大容量のネットワーク環境は
そのためのインフラです。

自らの学びを自らが主体的にかじ取りするといっても、教師の指導は重要です。
単に知識や技術の習得のための学習なら、
今頃、YouTubeなどの関連サイトに、
よく分かる教材動画が山のように溢れています。
教師の役割も変わらざるを得ません。
何のために学ぶのか、学習の目当てや手立ての指導、学んだ成果を社会にどう生かすか、
インプットだけの学習ではなく、アウトカムが求められるのです。
個々の教科で学んだ知識やスキルのみならず、
インターネットで様々な情報を調べ、協働でレポートにまとめ、
関係機関に提言するという社会課題の解決に直結するような学習活動です。
学ぶ目標が明確であれば、子どもたちはいきいきと学習に取り組みます。
わからない、学んでいないことは自ら調べる、専門家に問い合わせるなど、
そのまま社会で通用する活動につながるのです。
STEAM教育やプログラミング教育も始まりましたが、
みなねらいは全く同じです。
単にプログラミングスキルを学ぶのではありません。
暮らしや社会にとって何が必要かを考え、
それを形にしていく問題発見・解決学習です。
ここでは、教師は児童・生徒とともに学び、
問題解決にあたるファシリテーターです。

GIGAスクールのGはグローバル、Iはイノベーションです。
ISENでは、国際的視野を持って、志ある皆さんとともに、
子どもたちが自らの端末を持って、
学びの海を航海する教育イノベーションにつながる活動を、
展開していきたく思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

山西先生

富山大学 名誉教授。日本教育工学会(JSET)会長。日本教育工学協会(JAET)評議員会議長。教育ネットワーク情報セキュリティ推進委員会(ISEN)委員長。インターネットやコンピューターなどの情報通信技術を用いた 教育方法や学習環境の開発に関して、学校教育から生涯学習まで幅広く研究している。専門は、教育工学、情報教育。

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