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研究を重ねた専門家が指南 学校ICT・セキュリティコラム

学校ICT 専門家・研究者のコラム

2023.07.14

まち(地域)における不登校児童・生徒学習支援について

3年ぶりの本コラムへの寄稿である。
時間が経つ分、人生も重ねた(と言いたい)。
2022年3月末、校長を早期退職し、
現在はフリーランスの立場として、教育界隈で働いている。
実は、昨年から、一般社団法人を立ち上げる準備を始め、2023年3月登記に至った。
何をやるのか?そう、「不登校児童・生徒への学習支援」である。
エリアは、私の居住地域。ちょっと宣伝になるが、
今回は、法人設立に至る経緯とリアルな不登校の諸課題について書こうと思う。

早期退職をして、カッコつけて自分の事務所を構えようと、
事務所となる物件を探し始めた。自宅から徒歩10分圏内。
しかし、なかなかいいものがないまま時間が過ぎた。
「求める時に、それは遠ざかる」と誰かが言っていたような。
諦めかけた時、ぴったりな築39年の物件情報を得て、内覧に行った。
広さも想定内だったので早速購入した。内装、設備、水回りは全て改装した。

場所が決まると、やりたいことが見えてくる。
現職校長時代に取り組んだ「不登校児童・生徒学習支援」を地元でできないものか。
プランを練り、色々な方に相談した。
いくつかハードルがあったが、なんとか開設の目処がたち、
地域の重鎮たち(シニア層)へ説明に上がった。
予想以上に好反応。気持ちが舞い上がった。
地域の方々の課題意識が高く、心強い応援団を得た気分であった。
近隣の小中学校へも説明に上がった。
それぞれの校長からも「ありがたい」「応援しています」など温かい言葉をいただいた。

そして、今年5月から、「菊名和み塾」の塾生募集を開始。
社会福祉協議会、民生委員会、町内会、ケアプラザ等へチラシを配布。
HPも作成し、一カ月で2名の応募があった。
そして現在、週2回小学生と学習している。

これまでの活動で分かったこと、感じたことは・・・
①不登校について、地域のシニアや町内会に携わる方々は関心が高く、
何とかしようという気持ちが強い。
②ケアプラザや、民生委員など、高齢者介護等に携わる方々も、
不登校児童・生徒の情報を持っている。
③上記①②の方々は学校と連携(情報交換)の必要を感じている。
④子供の居場所や子ども食堂に携わっている方々の課題意識として、
学校以外の「学習をする居場所」が少ない(足りない)ことがあげられる。

上のそれぞれの課題への取り組みとして、
①情報収集を継続しつつ、不登校児童・生徒の家庭・学校以外の第三の居場所としての
機能を充実させること。
②特に学習に力点を置いた場所として地域で認識いただけるよう情報発信すること。
③今後、小規模から中規模へと拡張する必要性がある場合のプランニング
を行う予定である。まだまだ始まったばかり。考えながら前に進んでいる。
この感触、とても楽しいし、ワクワクする。

<一般社団法人とえはたえ>
https://www.toehatae.com/
<facebook>
法人設立のリアルを記録
https://www.facebook.com/profile.php?id=100088374200868

齋藤浩司先生

齋藤 浩司
1985年横浜市立中学校採用。2013年副校長。2014年横浜市教育委員会事務局。
2018年より4年間、横浜市立鴨居中学校長。
2019〜2020年、経産省「未来の教室」実証事業フィールド校として
先進的な不登校学習支援に取り組む。
2022年3月早期退職後、全国の教育現場を訪れ研究を重ねる。
2023年3月、一般社団法人とえはたえを設立。
横浜市港北区で不登校児童生徒学習支援を行う「菊名和み塾」を始める。
現在、㈱137、㈱ 城南進学研究社顧問。明蓬館中等部スクールマスター。
モノグサ株式会社パートナー。
毎週土曜日7時からGIGAおしゃべり交流会(オンライン)を主宰。

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