2023.09.08
ICT活用を「当たり前」に感じるには 〜本格運用3年目をうけて〜(後編)
Google Classroom や Google スプレッドシートなどを使った
情報交換の実践事例をご紹介します。
本校では、職員間の連絡ツールとして「Google Classroom」を立ち上げ、
情報交換を頻繁に行っています。使い方としては、校内研究の参考資料を添付したり、
授業に活用できそうな新しいソフトの紹介をしたり、
リモート朝会で使用するスライドや映像を貼り付けたりとさまざまです。
利点として、業務連絡などを一括に迅速かつ確実に行うことができます。
また、行事の反省を「Google フォーム」で記入できるようにすることで、
今までは紙ベースで行っていたものを自分の端末から、
簡単に入力できるようになりました。
さらに「ICT活用推進チーム」で、
学校施設を管理するための「スプレッドシート」を作成しました。
今までは、口頭での職員間の約束や、白板などで見えるように表示することで
バッティングを防いでいましたが、いちいち職員室で確認したり、
放課後に教職員個々で打ち合わせをしたりするなど、
アナログ的ですぐに決まらないわずらわしさもありました。
そこで、一昨年度「ICTプロジェクトチーム」で
施設予約用のスプレッドシートを作成してもらい、全職員で活用しています。
施設の予約を全職員が共有でき、自分の端末さえあれば、
どこでも施設の予約・確認ができるようにしました。
これにより、「今すぐ使いたい!」といった緊急時にも、
今までのように、いちいち確認する手間が省け、
自分の手元にある端末で、すぐに対応できるようになりました。
結果業務の軽減につながっています。
このように本校では、3年前から教職員の個別の端末から、
さまざまな情報が共有、発信ができるように取り組んでいます。
そして最終的には教職員の負担軽減につながるようにしています。
たかが3年ですが、されど3年です。
スプレッドシートの利用や、フォーム、Classroom の活用は、
当初は扱いに苦慮する事もありましたし、管理は大丈夫かなど、
疑問の声も職員室内ではありました。
しかし、3年経つと、教務の立場で言えば、
明らかに朝の欠席・遅刻での電話対応は減りましたし、
ICT活用したことによる保護者からのクレームもほとんどありません。
また、3年前は「ICT活用」という新しい取り組みに、
どちらかといえば及び腰だった職員間の雰囲気も、
実際使ってみて3年も経つと、ICT活用が、便利で有効であることが浸透してきました。
今では、3年前は活用していなかった職員も、積極的に活用することで、
結果として業務の軽減につながっていると思います。
もし、校内業務で積極的にICTを活用していないと
感じていらっしゃる教職員の皆さんがいたら、
私は積極的に活用することを勧めます。
確かに最初は大変かもしれません。新しいものを導入するのは骨が折れます。
ICT活用が「当たり前」と感じるようになるには、ある程度の時間が必要です。
しかし、3年経つと明らかに違います。「当たり前」と感じるようになると、
まず、時間が節約されることを大いに実感できます。
また、「当たり前」になると、職員間で活用が増え、
次々に新しい事をチャレンジするといった好循環も生まれます。
これは、ICT活用が発展途上中のこの時期だからだと思います。
今後「生成AI」など新しい技術が、学校現場に降りてくると思います。
ICT活用が得意な方々は、すぐに取り入れたいという衝動に駆られるかもしれません。
しかしすぐに新しい技術を取り入れるのは、
学校という組織はたくさんの人たちで成り立っており、
理解が得られないことがあるかもしれません。
そのために、「ICT活用推進チーム」のように、
学校活動での有効性をしっかり検討する機関があることが重要です。
検討した結果、使えるものは取り入れ、職員全体で活用していき、継続していくことで、
取り入れたICT活用が「当たり前にできる」ようにしていきたいと考えています。
その結果、職員の負担軽減や経費削減につながることを願っています。
時村先生
時村 健太
小田原市立富水小学校 総括教諭 教務主任
小田原・足柄下地区小学校教育研究会役員