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研究を重ねた専門家が指南 学校ICT・セキュリティコラム

学校ICT 専門家・研究者のコラム

2025.05.15

学びを深め、未来を拓く - 富水小学校の40分授業とICT活用

小田原市立富水小学校では、
令和6年度から「40分授業午前5時間制」を導入しました。
授業時間を短縮することで、学習の焦点を明確にし、
児童の集中力を高めながら、
効率的で充実した学びを実現することを目指しています。
また、本年度は「授業支援に特化したICT支援員の派遣」が予定されており、
ICT活用のさらなる促進が期待されています。
本稿では、この新たな学びの形におけるICTの活用が、
教育現場にどのような変化をもたらすのか、
その具体的な実践例を紹介します。

40分という短い授業時間だからこそ、
学習の密度を高め、限られた時間を
最大限活用する工夫が求められます。
本校では、ICTを積極的に活用し、
児童が効率的に知識を習得し、
理解を深める学習環境を整えています。
例えば、デジタル教材を活用することで、
児童は短時間で必要な知識を効果的に身につけることができます。
さらに、動画や音声に加え、児童が実際に操作できる
インタラクティブな教材を導入し、
視覚や聴覚を通じて概念をより深く理解することが可能になっています。
また、一人一人の進捗や理解度に応じた学習コンテンツの調整を行い、
「分からない」を「分かった!」へと変える喜びを育み、
学びへの意欲を高めています。

学校運営においてもICTの活用は大きなメリットをもたらします。
オンラインの連絡システムを導入することで、
保護者との情報共有が円滑になり、
印刷物の準備や電話連絡といった業務の
負担を軽減することができました。
また、デジタル掲示板を活用し、
児童の学習成果を写真や動画で共有することで、
家庭と学校の連携を強化する試みも進められています。
学級通信のオンライン配信を導入したことで、
タイムリーな情報提供が可能になり、
アンケート機能を活用した双方向のコミュニケーションも促進されています。

教材研究の面においても、ICTの活用によって
教員同士の連携が強化されています。
クラウド上で資料を共有し、意見交換を行うことで、
より質の高い教材開発が可能になり、
授業の内容を充実させることができるようになりました。
こうした取り組みは、児童の学びの質を高めるとともに、
教員の負担を軽減し、より良い授業環境の構築につながっています。

さらに、本年度から予定されている
「授業支援に特化したICT支援員の派遣」により、
教員のICT活用がさらに強化されることが期待されています。
ICT支援員は、教員がICTツールを効果的に活用できるようサポートし、
授業での活用方法についての研修や助言を行う役割を担います。
これにより、ICTを活用した授業の質向上が促進され、
より柔軟な学習環境の構築が可能になると考えられます。

富水小学校では、「40分授業午前5時間制」の導入とともに、
ICTを活用した教育環境の充実を進めています。
本年度より開始予定の「授業支援に特化したICT支援員の派遣」により、
さらなる教育の充実が期待されています。
この取り組みが、今後の教育の発展に向けて、一つの参考となれば幸いです。

 

時村先生

時村 健太
小田原市立富水小学校 総括教諭 教務主任
小田原・足柄下地区小学校教育研究会役員

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